近年、多くの企業が自社の情報発信ツールとして「企業ブログ」を取り入れています。企業ブログを効果的に運用することで、検索エンジンからの流入増加や新規顧客との接点強化、採用面や社内エンゲージメントの向上など、さまざまなメリットを得られることが知られています。
しかし、実際には「ブログを立ち上げたものの、なかなか成果につながらない」「記事作成に手間ばかりかかって更新が滞る」といった課題を感じている企業も少なくありません。
この記事では、「企業ブログ」を成功させるために押さえておきたいポイントやデメリット、具体的な書き方の手順、そして日本国内における企業ブログの成功事例を詳しく解説します。企業ブログの運営を検討している方や、すでに運営をスタートしている方が成果を高められるように、ぜひ最後までご覧ください。
目 次
企業ブログとは?
企業ブログとは、企業が自社で運営・管理するブログのことです。商品・サービスの情報発信や、自社のビジョン・活動実績のアピール、採用活動など、さまざまな活用法があります。企業ブログは本来、コーポレートサイトの一機能として実装されるケースが多いですが、外部サービスのブログやSNSなどを活用して設置する場合もあります。
企業ブログはオウンドメディアの一種!
企業ブログは「オウンドメディア(Owned Media)」と呼ばれる、自社が保有するメディアの一種です。オウンドメディアには、企業ブログ以外にも以下のようなものがあります。
- 企業の公式ウェブサイト
- コーポレートサイト内の特設ページ
- 自社発行のメルマガ
- 企業SNS(InstagramやX(旧Twitter)など)
- YouTubeチャンネル
なかでも、企業ブログは比較的手軽に運用をスタートしやすいメディアです。記事という形で深い情報を発信することができ、SNSでは表現しきれない専門的な内容や、自社のストーリーをじっくり伝えられる点が大きな特徴といえます。
なお、オウンドメディアについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>オウンドメディアとは?ペイドメディアとの違いやメリット・注意点 | 広報代理店
企業ブログをはじめる目的やメリット
企業ブログを運営する際には、まず「どんな目的で運用するのか?」を明確にすることが大切です。以下では、企業ブログをはじめる主な目的やメリットを解説します。
検索流入(オーガニック流入)が増加する
企業ブログに魅力的な記事を数多く蓄積すると、検索エンジンの評価が高まりやすくなります。ユーザーが商品名やサービス名、業界に関連するキーワードで検索した際に、企業ブログの記事が表示される確率が高くなるのです。こうしたオーガニック流入を増やすことで、広告費に頼らない集客基盤が構築できます。
たとえば、自社が提供しているサービスや専門知識をキーワードに設定し、そのテーマで記事を作成していくと、見込み顧客が興味を持って検索した際に企業ブログがヒットしやすくなります。結果的にコストを抑えながら、効率よく見込み顧客を獲得できるのが強みです。
新規顧客との接点を増やせる
自社のことを全く知らない人も、検索を通じて企業ブログにたどり着くことで、企業との新たな接点が生まれます。そこからサービスを利用したり、資料ダウンロードをしたり、セミナーに参加するきっかけになる可能性も大いにあります。
また企業ブログは、すでに自社を知っている既存顧客にとっても、有益な情報源になります。新規だけではなく、既存顧客のロイヤルティ(愛着)向上やリピート率アップにもつながります。
データ分析により潜在顧客の興味関心がわかる
企業ブログでは、各記事の閲覧数や検索キーワード、滞在時間、離脱率などを分析することで、潜在顧客がどのような悩みや興味を持っているのかを把握できます。これは、たとえばGoogleアナリティクスやサーチコンソールなどの解析ツールを使うことで可能です。
こうしたデータに基づいて新規記事のテーマを選定したり、コンテンツの方向性を見直したりすることで、より精度の高いマーケティング施策を展開できるようになります。
コンテンツ内容を自社で決めることができる
企業ブログはオウンドメディアの一種であり、企業が自分たちでテーマや内容をコントロールできます。これは、他社媒体(例:広告枠を買う場合やメディアにPRを依頼する場合など)にはない大きなメリットです。
掲載内容を自由に変えられるだけでなく、どんな記事をいつ公開するか、どのキーワードを狙うかなども自社で主導して決められます。記事数が増えていけば、メディア全体の世界観を統一しつつ、ブランドらしさを発揮しやすくなるのも利点です。
企業ブログを通じて企業のファンを増やすことができる
企業ブログを継続的に運用していくと、「この会社が書く記事が好き」「この企業のコンテンツは読み応えがあるからチェックしている」といった形で、ファンが少しずつ増えていきます。
企業ブログの更新を楽しみにしてくれるファンを獲得することで、企業イメージや信用力の向上、結果的には売上や求人応募数の増加にもつながる可能性があります。
一度作ったコンテンツが企業の資産として残る
企業ブログの記事は、削除しない限りはネット上に残り続けます。1本の記事がヒットすれば、半年後や1年後でも継続的にアクセスが増えるケースも。良質な記事を積み重ねていくほど、資産価値が大きくなる点も企業ブログ運営の魅力といえるでしょう。
また、過去の記事をリライト(修正)すれば、検索エンジンでの評価をさらに高めることもできます。広告のように出稿期間が終わったら効果がゼロになってしまうわけではなく、長期的に恩恵をもたらすのが企業ブログの強みです。
コンテンツ次第で従業員エンゲージメントを高められる
企業ブログでは、自社の理念やビジョン、社員の活動内容などを発信することも可能です。そうした情報をブログでまとめることで、社員同士がお互いの仕事を理解しやすくなったり、新入社員にとって学びの材料となったりします。
会社全体の取り組みや方向性を見える化することで、従業員が会社への帰属意識を持ちやすくなり、従業員エンゲージメントを高める効果も期待できるのです。
従業員エンゲージメントについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>従業員エンゲージメントとは?高い企業のメリットや高めるための施策 | 広報代理店
採用ツールとしても活用できる(オウンドメディアリクルーティング)
近年では、オウンドメディアを活用した採用手法を「オウンドメディアリクルーティング」と呼ぶことも増えてきています。求人サイトや人材紹介に頼らず、ブログ記事やSNS発信を通じて自社の魅力を知ってもらい、マッチする人材を集める手法です。
「オウンドメディアリクルーティング」は自由度が高く、企業独自の世界観や理念、仕事へのこだわりを発信しやすいので、「この会社のビジョンに共感したから応募したい」と思ってもらいやすくなります。
企業ブログなどのオウンドメディアを活用した採用活動「オウンドメディアリクルーティング」について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>オウンドメディアリクルーティングとは?メリットや成功事例 | 広報代理店
企業ブログのデメリット・注意点
企業ブログにはメリットが多い一方、当然デメリットも存在します。事前に理解しておくことで、運営体制やスケジュールをうまく組み立てられるでしょう。
成果が出るまでに最低半年以上かかる
企業ブログを立ち上げたからといって、数週間や1〜2ヶ月程度で顕著にアクセス数が増えるわけではありません。検索エンジンの評価が上がるには、最低でも半年〜1年程度はかかることが多いです。場合によってはもっと時間がかかるケースもあります。
したがって、短期的にすぐ効果が欲しい企業には不向きかもしれません。逆に、長期視点でコツコツ積み上げる姿勢があれば、大きなリターンを得られる可能性があります。
コンテンツの作成と更新に手間と時間がかかる
企業ブログは継続的に記事を投稿することで価値が蓄積しますが、記事作成のためにはネタ選定、取材、執筆、校正、公開設定など多くの工程を伴います。さらに記事を公開した後もアクセス解析やリライトなどのメンテナンスが必要になるため、人件費や外注費といったコストがかかります。
忙しい中小企業や、担当者が不足している場合は「記事が書けない」「更新が止まったまま」という状況に陥りがち。運用体制をしっかり整えることが欠かせません。
企業ブログのテーマがネタ切れになりやすい
企業ブログを長期間運営していると、記事にできるテーマがなくなってきたように感じるケースがあります。更新を続けていると「もう書くことがない」「同じテーマを繰り返している」という状況に陥る企業も珍しくありません。
しかし実際には、同じテーマでも切り口を変える、技術的なアップデートや新製品に合わせて情報を追加するなど、工夫次第でネタは増やせます。また、社員や顧客へのインタビュー、事例紹介記事なども良いネタ源となるので、定期的にアイデアを出し合う場を設けるとよいでしょう。
検索流入を増やすにはSEOの専門知識が必要
企業ブログのアクセスを増やす方法としては、SEO(検索エンジン最適化)が中心となります。しかしSEOには専門性が高い知識が求められ、ルールも頻繁にアップデートされるため、初心者が独学で極めるのは簡単ではありません。
社内にSEOの知識を持った担当者がいない場合は、外部の専門家(Web制作会社・コンサルティング会社)と連携するのも1つの方法です。
なお、社内ブログ(オウンドメディア)のSEO対策について詳しくは、以下の記事で詳しく解説しています。
>>2025年最新|コンテンツ?テクニカル?オウンドメディアのSEO対策35選 | 広報代理店
SEOに強い企業ブログの書き方10ステップ
企業ブログで成果を出すためには、SEO(検索エンジン最適化)をしっかり意識した上で、「読者が求めている情報」を「読みやすい形式」で発信していく必要があります。以下ではSEOに強い企業ブログを書くための10ステップを具体的に解説します。
①記事コンテンツの配信スケジュール・計画を考える
まずは、運用計画をしっかり立てましょう。いきなり記事を書き始めても、継続が難しくなってしまいます。以下の点を検討し、無理のない配信計画を立てることが大切です。
- 週に何回・月に何回を目安に配信するのか
- どのようなテーマの記事をいつまでに何本公開するのか
- 記事作成の担当者や外部ライターの確保
- 記事のクオリティチェックの基準
②対策キーワードなどから記事のテーマを決める
SEOを重視するなら、どのようなキーワードで上位を狙うのかを明確にしておく必要があります。具体的には、Googleキーワードプランナーや関連キーワードツールなどを活用して、検索ボリュームがあり、かつ自社の事業内容や顧客ニーズにマッチしたキーワードをピックアップしましょう。
その上で、ユーザーが知りたいと思う情報を軸に記事のキーワードを選び、テーマを決定します。たとえば、
- 「企業ブログ 始め方」
- 「企業ブログ メリット」
- 「SNS 運用 やり方」
- 「リフォーム 費用 相場」
など、具体的な課題・疑問に応えるキーワードを選んでテーマを考えると効果的です。
③ユーザー視点に立って検索意図を考える
キーワードを決めた後は、「なぜユーザーはそのキーワードで検索しているのか」という検索意図を深堀りしましょう。検索意図には、おおまかに「何を知りたいのか」「比較検討しているのか」「商品を購入したいのか」などさまざまな段階があります。
企業ブログで効率的に集客するには、こうした検索意図を理解し、ユーザーに有益な情報を記事として提供することが鍵となります。
④記事構成を作成する
いきなり本文を書くのではなく、記事のアウトライン(目次)を考えます。見出しを決め、記事の流れを整理してから執筆すると、読み手にもわかりやすい内容に仕上がります。見出しには、キーワードを適度に含めると検索エンジンの評価が高まりやすくなるのでおすすめです。
⑤クリックされやすいタイトルを30文字以内で考える(記事作成後でもOK)
記事のタイトルは、検索結果でユーザーが最初に目にする要素のひとつです。クリック率にも大きく影響するため、「見た瞬間に読みたくなる魅力的なタイトル」を意識しましょう。
- タイトルはできるだけ30文字以内に
- メインキーワードを必ず含める
- 記事内容がわかりやすいタイトルをつける(誤解を与えない)
上記のポイントを踏まえ、ユーザーに刺さる言葉選びを心がけましょう。
⑥実際に記事を作成する
構成とタイトルが決まったら、いよいよ本文の執筆に移ります。ここで意識したいのは「ユーザー目線」です。「ユーザーが求める情報を、網羅的かつ分かりやすくまとめる」ことを念頭におきましょう。専門用語や数字を用いる際は、根拠や背景を示すと説得力が増します。
- 見出しごとに話題を整理する
- 箇条書きやイラスト、図表などを活用し、視覚的にも読みやすく
- 情報ソースを明確にし、信頼性を高める
⑦適度に画像や表を配置して読者が読みやすくする
文章だけが長々と続く記事は、どうしても離脱率が高くなりがちです。適度に画像やグラフ、表、箇条書きを使い、視覚的に内容を理解しやすくしてあげることが大切。
また、画像を使用する際は、オリジナル画像や権利をクリアした素材を使うように注意しましょう。
⑧回遊率をアップするための内部リンクを設置する
ユーザーが1つの記事を読んで終わりではなく、他の記事もどんどん読んでくれるように仕組みを作ることが回遊率アップのコツです。
関連する記事やサービス紹介ページへのリンクを自然に設置し、サイト内を巡回してもらいやすくする施策を行いましょう。こうした内部リンクはSEOの観点からも有効です。
⑨120文字以内の適切なディスクリプションを設定する
検索結果には、タイトルとあわせてディスクリプション(抜粋文)が表示されます。ディスクリプションは記事内容の要約であり、120文字程度でまとめるとよいでしょう。
ユーザーがクリックしたくなるような表現やキーワードを意識しつつも、実際の内容と乖離しないように気をつけます。
⑩スケジュールに沿って記事の作成~アップを繰り返す
企業ブログは「継続」が命です。決めたペースでコンスタントに記事を公開し、アクセス解析や検索順位をモニタリングしながら改善を続けましょう。
記事数が増えるにつれて、検索エンジンでの露出が高まり、アクセスが伸びていくサイクルを作ることができます。
なお、企業ブログ(オウンドメディア)自体を一から立ち上げる場合は、以下の記事をご覧ください。
>>オウンドメディアの作り方を4つの手順で解説!立ち上げ費用相場も | 広報代理店
企業ブログを成功させるための6つのポイント
SEOを意識した企業ブログ運用を継続するには、以下の6つのポイントを押さえておくとスムーズです。
①継続的にコンテンツを発信できる体制の確保
企業ブログの運営で最も大切なのは、記事を継続的に更新すること。週1回や月2回など、あらかじめ更新頻度を設定し、それを守れる体制を作りましょう。
社内に専任の広報担当者を置いたり、外部ライターへの外注を検討する方法もあります。更新が途絶えてしまうとSEO的にも不利になりますし、読者の期待も下がってしまいます。
②オリジナル要素を入れてコンテンツの質を高める
検索エンジンは、オリジナリティのある情報を含む記事を評価しやすいとされています。
たとえば、自社での具体的な取り組みやノウハウ、顧客の声、エピソード、インタビューなど、一次情報(自社が直接得た独自の情報)をしっかり盛り込むのがおすすめです。単純に情報をまとめただけの記事ではなく、独自色を強めることで他社との差別化を図れます。
③SEOもしっかりと意識してコンテンツを作成する
前章でも述べたとおり、記事タイトルや見出し、本文にキーワードを自然に散りばめると同時に、ユーザーの検索意図を満たす質の高い内容を提供する必要があります。
過度なキーワードの詰め込みは逆効果です。Googleアナリティクスやサーチコンソールで分析しながら、掲載順位の動向に応じてリライトや追加情報を行い、常に鮮度と質を保つよう意識しましょう。
④作って終わりではなくアクセス解析で改善を続ける
オウンドメディアの成長には、定期的なアクセス解析と改善が欠かせません。どの記事がよく読まれているのか、どの検索ワードで流入しているのか、どのページで離脱されるのかなどを把握し、足りない情報や表現を見直します。
記事公開後もメンテナンスを続けることで、検索順位の維持や向上、読者の満足度アップを目指すことができます。
⑤「読者のための有益な情報」を発信することを第一に考える
SEOを意識するあまり、機械的な文章やGoogleクローラーに向けた内部対策ばかりに注力すると、人間の読者にとって読みにくい記事になりがちです。
最終的に決め手となるのは、あくまで「人にとって役立つかどうか」。読者が疑問を解決できたり、新しい発見が得られたりするようなコンテンツを意識し、手間を惜しまず情報をわかりやすくまとめましょう。
⑥社内で難しい場合は信頼できる外注先へ業務委託する
企業ブログ運営には一定のスキルや時間が求められます。コンテンツの質と量を維持するためには、ライティングスキルやSEO知識、デザイン・編集のスキルも必要です。
自社リソースだけではカバーしきれない場合、信頼できる外部のライターや制作会社を活用するのも賢い選択といえます。記事の企画や執筆、アクセス解析のレポート、サイトの改善提案までトータルで任せれば、より円滑に企業ブログを伸ばしていくことができるでしょう。
企業ブログのアウトソーシング(業務委託)について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>企業ブログの運営は代行が基本?!ブログ記事代行のメリットや注意点 | 広報代理店
日本国内で人気の企業ブログ成功事例7選
日本国内には、企業ブログを成功させて集客や採用、ブランド認知度向上を実現している企業が多数存在します。
以下では7つの成功事例をご紹介します。ぜひ、自社の企業ブログ運営の参考にしてみてください。
企業ブログ成功事例①「ferretメディア(株式会社ベーシック)」
特徴・概要
- 運営企業:株式会社ベーシック
- ブログ名:ferretメディア
- 主なテーマ:デジタルマーケティング、SEO対策、SNS活用、Web広告など
- 月間PV数:数百万PV規模(会員数や資料ダウンロード数も大きい)
成功ポイント
- 幅広いマーケティング情報
Web・デジタルマーケティングに必要なノウハウを体系的に紹介しており、SEO、SNS、Web広告など多角的なテーマを網羅。マーケターはもちろん、経営者や事業責任者にとっても有益なコンテンツを提供しています。 - 会員向けホワイトペーパーの提供
記事だけでなく、ダウンロード可能な資料(ホワイトペーパー)を充実させることで、見込み顧客の獲得につなげています。ユーザー登録を促し、見込み客データを蓄積する仕組みも巧みに構築。 - オンライン/オフライン施策との連動
記事から学んだユーザーがさらにセミナーやイベントに参加しやすいよう、適宜アナウンスを実施。コンテンツマーケティングだけでなく、リアルの場とのシナジーも意識した運営を行っています。
学べるポイント
- 専門性の高い情報を軸に置いたメディア戦略
- 会員向け資料を用意してリードを獲得する仕組み
- オンラインとオフラインを掛け合わせて、多面的にファンを育成
企業ブログ成功事例②「LIG(株式会社LIG)」
特徴・概要
- 運営企業:株式会社LIG
- ブログ名:LIGブログ
- 主なテーマ:Web制作、システム開発、メディア運営、ゲストハウス事業、地方創生など
- 月間PV数:数百万PV規模(公開当初から圧倒的な伸びを記録)
成功ポイント
- 社員が主体的に情報発信
LIGでは、基本的に社員1人ひとりが月に1本の記事を書くという文化があり、時にはユーモアや自虐を交えつつ多彩なコンテンツを発信。これが「面白い会社」というブランディングに直結しています。 - 幅広いテーマ設定
Web制作のノウハウだけでなく、ライフスタイルや旅行記、地方創生プロジェクト、社内イベントなど、社員の日常を切り取った記事を数多く公開しています。専門情報と娯楽性のバランスが絶妙。 - 採用と営業の両面に好影響
多彩な記事により、応募前に社風を理解できるためミスマッチが減少。また、顧客側からも「面白い記事を書くクリエイティブな会社」として認知され、Web制作などの新規案件獲得にもつながっています。
学べるポイント
- 社員のクリエイティビティを活かしたブログ運営
- ユーモアや独自コンテンツでユーザーを惹きつける
- 採用、ブランディング、集客の複合的メリット
企業ブログ成功事例③「経営ハッカー(freee株式会社)」
特徴・概要
- 運営企業:freee株式会社
- ブログ名:経営ハッカー
- 主なテーマ:経理・税務・会計、ITツール活用、スタートアップ経営など
- ターゲット:中小企業の経営者や個人事業主、財務担当者
成功ポイント
- 専門知識をわかりやすく解説
確定申告や税制改正情報など、経理・会計における難しい内容を噛み砕いて発信。個人事業主や小規模経営者など、専門家を抱えていない層からの支持が高い。 - インタビュー記事・事例記事の豊富さ
新進気鋭の企業や実際のユーザーへのインタビューを多く掲載している。リアルな声が学べると好評で、freeeの会計ソフトへの興味・関心を高める導線にもなっている。 - 会員限定コンテンツでリードを獲得
記事を読んだユーザーがさらに学べるよう、無料ダウンロード資料や会員限定動画なども提供している。ユーザーがメールアドレスを登録するハードルを下げ、質の高いリードを蓄積している。
学べるポイント
- 専門的な情報を一般の人でも理解しやすい形で提供
- ユーザー事例・インタビュー記事の活用による説得力
- 会員限定の追加コンテンツで見込み顧客を育成
企業ブログ成功事例④「サイボウズ式(サイボウズ株式会社)」
特徴・概要
- 運営企業:サイボウズ株式会社
- ブログ名:サイボウズ式
- 主なテーマ:チームワーク、働き方改革、組織マネジメント、社会課題など
- 運営方針:「新しい価値を生み出すチームのメディア」
成功ポイント
- 自社製品に縛られない幅広いテーマ設定
グループウェアの紹介や機能説明に固執せず、「多様な人材が協力しあうにはどうすればいいか」「家族と仕事を両立するコツは?」など、社会課題や普遍的な働き方テーマを積極的に取り上げている。 - SNSでの反響を重視
アクセス数だけでなく、読者が共感した記事をどの程度シェアしたかや、どのような反応があったかに注目。SNSで話題になれば採用や認知度の向上につながりやすくなる狙い。 - 企業姿勢のアピール=ファンを育てる
会社の理念や社員のリアルな声が伝わる記事が多く、求職者や顧客から「サイボウズの考え方に共感した」という声が増加。結果的に採用ブランディングに成功している。
学べるポイント
- 製品説明だけに終わらず、読者の興味に寄り添うテーマ選び
- 数値指標(PV)以上にSNSでの反響や読者の共感度を大切にする
- 企業姿勢・ブランドイメージを高め、採用にも活用
企業ブログ成功事例⑤「キャリアハック(エン・ジャパン株式会社)」
特徴・概要
- 運営企業:エン・ジャパン株式会社
- ブログ名:キャリアハック
- 主なテーマ:IT・テック業界で働く人々のインタビュー、キャリア形成、働き方など
- 対象読者:20~30代の若手ビジネスパーソン・学生
成功ポイント
- エンジニアやクリエイターの成功体験を深堀り
有名企業で活躍するエンジニアや、話題のスタートアップ創業メンバーへのインタビューを多数掲載。実践的なノウハウとストーリー性を兼ね備えたコンテンツで読者を引き込み、IT・ベンチャー志望の若者の支持を集めている。 - バラエティに富んだ企画記事
「有名企業で失敗を乗り越えたエンジニアの新人時代」「若手クリエイターが大切にしている習慣」など、多彩な角度からキャリアを考える記事を提供。読者は将来の目標や転職意欲をかきたてられる。 - エン・ジャパンのサービスと自然に連携
記事の末尾やサイドバーには、同社が運営する求人情報サイトや転職サービスのバナーを配置。読者がさらに興味を持ったときにスムーズにサービス利用へ移行できる導線を整えている。
学べるポイント
- 業界のトップランナーを起用した魅力的なインタビュー記事
- 読者の将来像を具体的にイメージさせるコンテンツ設計
- 企業の中核サービスとのクロスセルを意識
企業ブログ成功事例⑥「mercan(株式会社メルカリ)」
特徴・概要
- 運営企業:株式会社メルカリ
- ブログ名:mercan
- 主なテーマ:メルカリの社内文化、各職種のリアルな業務、エンジニア・デザイナー向け情報など
- コンセプト:「メルカリの“人”を伝える」
成功ポイント
- 社員インタビューを主体とした運営
各プロジェクトの担当社員やチームリーダー、CTO・デザイナーなど、実際に働く人の声をクローズアップ。大手IT企業らしい最先端の取り組みや裁量権の大きさを具体的に示している。 - 複数チームの協力体制
取材・執筆・写真撮影など、社員が主体的に関わりつつ、広報チームやエンジニアチームが連携してコンテンツを制作。会社全体でメディアを盛り上げている。 - 採用ブランディング強化
記事を読んだ求職者が、企業カルチャーに共感して応募するケースが増加。専門職はもちろん、新卒・中途問わず「メルカリらしさ」を求める人材が集まりやすくなっている。
学べるポイント
- 社内の多様なメンバーがメディア制作に協力する体制
- エンジニア・デザイナー視点の情報発信で採用力アップ
- “人”にフォーカスしたブログ運用が企業の魅力を引き出す
企業ブログ成功事例⑦「北欧、暮らしの道具店(株式会社クラシコム)」
特徴・概要
- 運営企業:株式会社クラシコム
- サイト名:北欧、暮らしの道具店
- 主なテーマ:北欧テイストの生活雑貨やアパレル、ライフスタイル提案、インタビューなど
- EC機能:サイト内で雑貨・アパレルなどの販売を行い、読み物と購買をシームレスに結合
成功ポイント
- ECサイトと読み物を融合したハイブリッドモデル
いわゆる「雑貨のネットショップ」だけでなく、商品を使った暮らしのストーリーやレシピなど、雑誌のような読み物コンテンツが非常に充実している。 - 世界観を大切にした写真やデザイン
商品写真やコラムのレイアウトまで、北欧ライクなやさしく洗練された世界観を追求。ブランド・商品の魅力を最大限に引き出し、ファンを獲得している。 - 月間PV数は数百万~1,000万超えの時期も
生活の質を高めたい層から圧倒的な支持を受ける。サイト内に豊富なオリジナル連載やインタビュー記事があり、リピーターも多い。商品の購入だけでなく、広告収益やコラボ企画などビジネス領域を拡大している。
学べるポイント
- 「読み物」と「ショッピング」を自然に融合するサイト設計
- 写真・デザインで独自の世界観を高め、ブランディングを強化
- 購買体験そのものを物語化する運営モデル
これらの企業ブログ成功事例から学べるのは、「ユーザーが求めている情報を提供しつつ、企業としての独自性や世界観をしっかり打ち出すこと」の重要性です。また、単なる記事更新だけでなく、SNSとの連携や会員登録への誘導、EC機能との接続などを巧みに組み合わせることで、高い成果を発揮しています。
企業ブログを成功させるためには、継続性・オリジナリティ・読者目線・SEO対策の4つが欠かせません。いずれの事例も運営開始からすぐに成功したわけではなく、長い年月と試行錯誤によって実績を築いています。ぜひこれらの事例を参考に、自社ブログならではのコンテンツや運営スタイルを模索してみてください。
広報代理店がサポートした企業ブログの成功事例5選
弊社「広報代理店」がサポートさせていただいた企業ブログの成功事例については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
>>オウンドメディアを成功に導くには?広報代理店の成功事例5選 | 広報代理店
企業ブログは集客の大きなカギ!
企業ブログは、アクセスアップや見込み顧客との接点づくり、採用活動やブランディングの強化など、企業の成長に欠かせない大きなカギとなります。
実際に企業ブログを活用することで大幅に売上や問い合わせ数を伸ばした企業も多く、継続的に運営すればするほど、記事が資産として蓄積されていきます。
しかしながら、日々の業務に追われるなかで、
- 「ブログ記事を更新する時間と人手が足りない……」
- 「SEOのノウハウが不足していて、作った記事が読まれない……」
- 「採用・ブランディングにもつながる良質なコンテンツを作りたいが、どうすればいいか分からない……」
と悩む企業や担当者の方も多いのではないでしょうか。
そういった課題を抱えていると、せっかく企業ブログを立ち上げても成果が出る前に運用が止まってしまいがちです。そこで重要になるのが、戦略的な広報の視点とノウハウを活かしたサポート体制です。
企業ブログのサポートなら広報代理店にお任せ
「企業ブログを活用して、もっと効果的に集客・ブランディング・採用を行いたい」「コンテンツSEOで長期的に安定したアクセスを得たい」という企業様は、“広報”を専門として誕生した代理店「広報代理店」にご相談ください。
広報代理店では、以下の内容で御社の企業ブログをお手伝いすることができます。
- オウンドメディア運用代行
記事の企画・執筆・取材・編集などの作業を、広報とライティングのプロがトータルでサポートします。専門的なSEO知識もあわせ持ち、効果的にアクセスを増やすお手伝いをいたします。 - 継続的なリピーターづくりやブランディング向上
単発の記事更新に終わらず、企業が伝えたいメッセージを長期的に発信し続ける体制を構築。定期的な記事更新やPDCAサイクルを回すことで、企業ブログを“資産”に変えていきます。 - 採用・社内向け広報にも応用可能
企業ブログで自社の魅力を伝えることは、採用活動(オウンドメディアリクルーティング)や従業員エンゲージメント向上にもつながります。広報代理店では「いっしょにインタビュー」「いっしょにプレスリリース」など、さまざまな広報手段を組み合わせてサポート可能です。 - 月1回の取材でOK!経営者の“想い”も逃さず記事化
「忙しくて文章を書く暇がない」「専門的な内容なので、ライターに任せると不安……」といった声にも対応。広報代理店の取材を受けていただくことで、経営者や社員の想いを正確に汲み取り、独自性のある高品質な記事を作成します。
広報代理店の企業ブログ(オウンドメディア)運用代行サービス「いっしょにオウンドメディア」について詳しくは、以下のページをご覧ください。
企業ブログは、広告に頼らず自社の強みを長く発信し続けられる“集客の大きなカギ”です。記事が増えれば増えるほど、検索結果での露出や問い合わせが増加し、売上・採用・ブランディングなど多方面に効果をもたらしてくれます。
「自社のリソースだけで企業ブログを運営するのは難しい……」
「どんな記事を出せば効果があるか悩んでいる……」
と感じている企業様は、ぜひ広報代理店までお気軽にご相談ください。広報・ライティング・SEOのプロ集団が、成果につながる企業ブログ運営を“いっしょに”サポートいたします。