目 次
そもそも「企業理念」とは?
「企業理念」とは、「企業の根本的な存在意義や価値観を明確化した言葉や考え方」のことを指します。なお、企業理念と似た概念として「パーパス」も存在します。
企業理念を明文化することにより、企業としての社会に対する使命や役割がしっかりと定まるので、会社で働く社員の行動規範や企業文化・社風を形作る上でも重要な役割を果たします。
なお、企業理念の策定は、広報を活用してステークホルダーと良好な関係を築いていく上でもとても大切な要素です。
企業理念と経営理念の違い
企業理念と似た言葉に「経営理念」があります。「経営理念」とは、事業の方向性や目標、目標を達成するためのガイドラインを明文化したものを指します。
企業理念は経営理念よりも更に深い、企業の魂のような存在です。経営理念は、企業理念をどうやって実現していくかについて、現実的・具体的な方法を定めるイメージです。
企業理念は「理念浸透」が重要!
企業の魂のような「企業理念」ですが、「企業理念を作って終わり」といった企業が非常に多いです。実は企業理念は、作って終わりではなく「理念浸透」が非常に大切です。
「理念浸透」とは、企業理念やパーパス、ビジョンといった企業の想い・考え方を、従業員全体に行き渡らせることを指します。
ここからは、「理念浸透」が重要である理由や、「理念浸透」が成功することによる企業側のメリットをご紹介していきます。
社員が仕事に対し意義や働きがいを見出だせるようになる
「理念浸透」がうまくいくことで、社員は「自分がなんのために仕事や業務をしているのか」が明確になり、より自身の仕事に意義を見出しながら働けるようになります。
また、「理念浸透」によって仕事に意義を見出だせるようになることで、「会社で働く1人の社員」ではなく、「会社=自分」という帰属意識が生まれ、より会社のために自発的に頑張ってくれるようになる可能性もあります。会社の帰属意識が高まることを、「従業員エンゲージメント」という言葉で表すこともあります。
従業員エンゲージメントについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>従業員エンゲージメントとは?高い企業のメリットや高めるための施策 | 広報代理店
自社に合う人材を雇用できるようになる(離職率を減らせる)
「企業理念」が具体的で、なおかつ自社ブログなどを活用して積極的に発信することで、企業の採用活動にも良い効果が期待できます。
具体的には、求職者が企業の理念に共感し、自分の価値観や目指す方向性と一致していると感じることで、より応募したくなる効果が期待できます。その結果、自社の理念にマッチする人材を、効率的に採用することが可能になります。
また、企業理念を軸にした採用活動を行うことで、入社後のミスマッチを減らすことができます。会社の示すビジョンや使命に共感してくれた人が採用できるようになることで、「入社してみたら、会社の考え方が自分の理想と違っていた……」といった理由で離職するケースを減らすことができるでしょう。
さらに、企業理念を発信することで、外部にも企業の姿勢や文化が伝わり、採用ブランディングの強化が期待できます。これにより、同じ業界内でも差別化された魅力を持つ企業として求職者に認識され、優秀な人材を引き付ける力も高まっていくことが期待できます。
理念浸透がうまくいかない主な理由
「せっかく経営理念を作ったのに、なかなか従業員に浸透しない……」
こんなお悩みをお持ちの、経営者の方も多いのではないでしょうか?
ここからは、理念浸透がうまくいかない主な理由について解説していきます。
経営理念を「作っただけ」で終わってしまっている
理念浸透が進まない1つ目の理由として、経営理念を「作っただけ」で終わってしまっていることが考えられます。
経営理念を作ることは確かに重要ですが、「完成した経営理念をコーポレートサイト等に掲載しただけで、それ以外に活用していない」といった企業が非常に多いです。
経営理念は自社ホームページに掲載することはもちろんですが、それだけで従業員に理念浸透するのはなかなか難しいです。理念浸透のためには、自社ブログなどを活用して、積極的に社員に企業理念がどういうものかを発信していく必要があるでしょう。
経営理念の内容が曖昧で伝わりにくい
理念浸透が進まない2つ目の理由として、経営理念の内容が抽象的で分かりにくく、従業員の理解が進まないケースが考えられます。
経営理念が曖昧になってしまう理由としては、以下の2パターンが考えられます。
- 形だけでも経営理念を用意するために、それらしい経営理念を自社用にアレンジした。
- しっかりとした経営理念があるが、うまく表現できずに曖昧になってしまった。
曖昧だったり中身の無い経営理念では、どんなに伝えても理念浸透は起こりにくいです。こうしたケースでは、企業理念を具体的で分かりやすいものに作り直す必要があるでしょう。
経営理念が従業員に共感されにくい内容
理念浸透が進まない3つ目の理由として、経営理念の内容が従業員に共感されにくいケースが考えられます。
経営理念は「企業の根本的な存在意義や価値観を明確化した言葉や考え方」ですが、たとえば企業が従業員を一方的に搾取するような理念だったり、どんなに悪質なクレームを言われてもお客様に奉仕することを求めるような理念だったりした場合、従業員の理解や共感を得ることは難しいでしょう。
理念浸透を進めるためには、経営理念はトップダウンで押し付けがましいものや時代遅れのものではなく、従業員にとっても共感しやすい内容にする必要があります。
理念浸透には「社内広報」が効果的!
ここからは、理念浸透を促進するための具体的な方法として、「社内広報」をご紹介していきます。
社内広報とは?
社内広報(インターナル広報)とは、いわゆる社内向けの広報のことを指します。具体的には、従業員に対して企業理念や社長の想いなどを浸透させたり、「従業員エンゲージメント」を高めたりする目的があります。
社内広報(インターナル広報)について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>社内広報(インターナル広報)とは?企業が注力するメリットや成功事例 | 広報代理店
理念浸透に「社内広報」が効果的な理由
「社内広報」は、オウンドメディア(自社ブログ)や社内報を通じて、企業理念を従業員に伝えていくことができます。
このとき理念浸透に大切なのが、「どう伝えるか」の部分です。単純に企業理念の内容を伝えるのはもちろんですが、経営者(創業者)がどういった想いで企業理念を作ったのかといった背景を伝えると、理念浸透に効果的です。
また、社長や経営陣自らが、企業理念をどう意識して働いているのかや、理念浸透によってモチベーションが上がった社員のインタビューなどを、ブログ記事や社内報を通じて発信する、理念浸透がさらに促進するでしょう。
社内広報で理念浸透に取り組むための5ステップ
ここからは、社内広報で理念浸透に取り組むための5つのステップをご紹介していきます。
①理念浸透のための社内広報ツールを選択
はじめに、理念浸透をしていくための社内広報ツールを選択します。
社内広報ツールには、以下のような種類があります。
- オウンドメディア(自社ブログ)
- 社内報(社内ブログ)
- 企業YouTubeチャンネル
- 社員向け勉強会やイベントの開催
それぞれ特徴や更新に必要な手間や時間が異なるので、自社で運用可能な社内広報ツールを選択すると良いでしょう。なお、おすすめは始めやすく運用もしやすいオウンドメディア(自社ブログ)や社内報(社内ブログ)です。
各社内広報ツールの詳細は、以下の記事をご覧ください。
>>オウンドメディアとは?ペイドメディアとの違いやメリット・注意点 | 広報代理店
②選択した社内広報ツールで発信するための準備をする
続いて、選択した社内広報ツールで発信するための準備をしていきます。
具体的には、オウンドメディアや社内報の場合は自社ブログの立ち上げ、企業YouTubeチャンネルの場合はYouTubeチャンネルの開設、もしコーポレートサイトが無い場合はコーポレートサイトの作成などになります。
いずれも既に作成済み、開設済みの場合は、こちらのステップは飛ばして構いません。
③理念浸透を進めるためのテーマを用意する
続けて、理念浸透を促進するコンテンツのためのテーマを考えていきます。理念浸透に効果的なテーマとしては、以下が考えられます。
- 企業理念の解説や定めた背景の紹介
- 経営者が企業理念に込めた想いや願い
- 社長や経営陣が企業理念をどう意識して働いているのか
- 理念浸透に成功した社員へのインタビュー
- 企業理念が目指す会社の未来の姿
- 企業理念を反映した商品・サービスの開発秘話
- 企業理念とSDGsや社会貢献活動の関連性
- 企業理念に基づいた福利厚生の紹介
理念浸透のためのテーマを考える時に大切なのは、従業員が企業理念をより身近に感じてもらえるように工夫することです。企業理念が浸透することで、従業員が前向きに明るく働けるようになるイメージを想起させるようなテーマにすることが大切です。
④理念浸透のためのコンテンツを作成する
続けて、理念浸透のためのコンテンツを作成していきます。具体的には選択した社内広報ツールによっても異なりますが、ブログ記事や動画、紙媒体などが主流になります。
③の行程で用意したテーマに基づいたコンテンツを、社内広報ツールで発信していくことで、理念浸透を促進することができるでしょう。
各ツールごとのコンテンツ作成方法については、以下の記事をご覧ください。
>>インタビュー記事の書き方とは?メリットや取材時のポイントも解説 | 広報代理店
>>社内報とは?目的・メリットや使えるネタ、社内運用時の4ステップ | 広報代理店
>>企業YouTubeチャンネルの運用を代行!広報代理店の「いっしょにYouTube運用」のサービス内容や費用・メリット | 広報代理店
⑤従業員の反応を見ながら継続的にコンテンツを発信する
最後に、作成したコンテンツを発信し、従業員の反応をチェックすることが大切です。
アクセス数やコメントなどデジタルなデータも大切ですが、従業員から直接コンテンツの感想を聞いたり、アンケートを実施したりすることも効果的です。
従業員から寄せられた意見やフィードバックをもとに、次回のコンテンツを改良することで、さらに理念浸透を推し進めることに繋がるでしょう。
また、社内広報ツールを活用した理念浸透の取り組みは、一度きりではなく継続することで効果を発揮します。たとえば、月に1回の更新や、特定のイベントに合わせた特集記事など、定期的に新しい情報を発信することで、企業理念を従業員の日常の中に浸透させていくことができます。
理念浸透の成功事例
ここからは、広報代理店がサポートさせていただいた、社内広報ツールによる理念浸透の成功事例についてご紹介していきます。
「業務改善」や「ワーケーション」を通じて企業理念を体現
広報代理店では、株式会社キャップドゥー・ジャパン様のオウンドメディア「クラウド豆知識」のブログ記事作成代行を行いました。
株式会社キャップドゥー・ジャパン様の企業理念は「共に、歩む。」です。オウンドメディアのブログ記事を通じて、「業務改善」や「ワーケーション」といった企業や社長の取り組みを発信することで、徐々に理念浸透が進んでいきました。
また、プロサッカークラブの業務改善では、チームの熱烈なサポーターの方が入社され、サポーターとしての活動とキャップドゥー・ジャパン様で働く様子を伝えた記事も存在します。
オウンドメディアを通じて、従業員やステークホルダーに寄り添う形で、企業理念を発信・浸透することに成功したお手本のような事例だと思います。
キャップドゥー・ジャパン様の広報代理店サポート事例について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>アクセス10倍!売上6倍!広報代理店「いっしょにオウンドメディア」事例“キャップドゥー・ジャパン様”編 | 広報代理店
社長が先陣に立って企業理念
続けてご紹介するのは、広報代理店がオウンドメディア更新をサポートさせていただいた「Outgrow Japan株式会社様」の、理念浸透の成功事例です。
Outgrow Japan株式会社様は、働き方を変えたい女性のためのオンラインスクール「LIBERTY」などを運営されている会社様です。そんなOutgrow Japan株式会社様の経営理念は「“あなたの可能性を証明せよ”」。
Outgrow Japan様自体は社長お一人の運営体制でしたが、オンラインスクールに所属する生徒さんたちに向けて、オウンドメディアや社内報を通じて企業理念や社長の想いを発信しました。
その結果として、スキルはあっても自信がなかった生徒さんたちの意識を変えることができたり、本当の意味で生徒さんが人生を変えるためのモチベーションに繋がったりと、理念浸透によるさまざまな良い効果が表れました。
Outgrow Japan様の広報代理店サポート事例について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>想いや経験が資産に変わった!広報代理店「いっしょにオウンドメディア」事例“Outgrow Japan様”編 | 広報代理店
理念浸透のための社内広報なら広報代理店にお任せ!
この記事では、社員のモチベーションアップや離職率の低下、従業員エンゲージメントのアップなどの効果が期待できる「理念浸透(企業理念の社員への浸透)」について、理念浸透の概要やメリット、理念浸透が進まない原因、社内広報で理念浸透に取り組むための5ステップなどについてご紹介してきました。
「従業員のモチベーションが低く、生産性が上がらず困っている……」
「入社してもすぐに社員が離職してしまう……」
こんなお困りを抱えている企業様は、企業理念が従業員に浸透していないことが原因かもしれません。
広報代理店では、オウンドメディアや社内報といった「社内広報」を通じて、理念浸透を強力にサポートすることができます。
しっかりした企業理念があるものの、思うように理念浸透が進まず困っている企業様や経営者様は、広報のプロが集まった「広報代理店」まで、お気軽にご相談ください。