企業が自社の商品やサービスを世の中に広く知ってもらい、将来的な成長やファンの獲得を実現するための手段として、「企業SNS(企業の公式SNSアカウント)」が注目を集めています。
企業SNSを運用することで、リアルタイムでユーザーとのコミュニケーションが図れたり、新商品の情報を瞬時に拡散できたりするなど、その可能性は多岐にわたります。しかし、安易に企業SNSを始めるだけでは十分な成果が得られないのも事実です。
そこでこの記事では、企業SNS運用の具体的な活用方法や注意点、成功事例を盛り込みながら、SNS活用で企業が得られるメリットや、運用を成功へ導くためのポイントをわかりやすく解説します。
「もっとSNSをうまく活かして会社を成長させたい」
「SNSならではの魅力を知りたい」
と考えている企業の広報担当者やSNS担当者の方は、ぜひ最後までお読みください。
目 次
企業SNS運用とは?
スマートフォンやSNSが生活に深く浸透するなか、企業がSNS運用に力を入れる動きが広がっています。企業SNS運用とは、企業が公式SNSアカウントを開設し、そのプラットフォーム上で情報を発信したり、ユーザーと交流したりする取り組みのことを指します。
企業はSNS運用を通じて、ニュースの告知やブランディングの促進、消費者との直接コミュニケーションなど、幅広い可能性を秘めています。では、この企業SNS運用が近年なぜこれほど重要視されているのでしょうか。
企業SNS運用が重要視されている背景
企業SNS運用が注目を浴びる背景には、消費者の情報収集行動が大きく変化していることが挙げられます。かつてはテレビや新聞、雑誌などのマスメディアの広告が主流でしたが、スマートフォンの普及やSNSの利用率が高まるにつれ、人々の「情報との出会い方」や「購買行動」が大きく変わってきました。
具体的には、インターネット上で自ら情報を探し、興味関心をもったものに対して深く入り込むスタイルが定着し、そこでSNSが重要な役割を担うようになったのです。
SNSでは、ユーザー同士が商品やサービスについて率直な意見を交わすため、口コミ効果も期待できます。企業が公式アカウントを開設し、魅力的な情報をタイムリーに発信できれば、企業イメージの向上や商品認知度アップに直接つなげられます。
また、フォロワーやファンとの距離が近いため、広告と比べて親しみやすさや信頼感を得やすいのも特徴です。こうした背景があいまって、多くの企業がSNS運用を注視し、経営戦略の一環として取り組むケースが増えています。
企業SNSは「広報」の一種
企業SNSは、広告のように費用を投じて拡散を狙うだけの存在ではなく、いわゆる「広報」の一種として数えることができます。広報と広告の大きな違いは「費用」と「信頼感」にあります。広告は多額の予算を投じることが前提ですが、企業SNSであれば比較的低コストで運用でき、ユーザーとの双方向コミュニケーションによって信頼感を育めるのが特徴です。
たとえば、新商品を開発した際にプレスリリースを出すのと同時に企業SNSでも告知を行い、ユーザーからのフィードバックを受け取れば、それを次の開発や販売戦略に反映できます。つまり、企業SNSは現代の広報活動において、ユーザーとのエンゲージメント(共感・交流)を生み、ブランドの魅力を“じわじわ”と広めていく強力な武器といえるでしょう。
なお、広報について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>広報とは?コーポレート広報などの種類や広告・PRとの違いを解説 | 広報代理店
>>企業広報(コーポレート広報)とは?業務や役割の一覧やメリット | 広報代理店
企業SNSの活用方法や運用目的
企業SNSを効果的に活用するためには、単にアカウントを作って投稿するだけでは不十分です。ターゲットに合わせたコンテンツの提供や、ユーザーが読みたくなるコンテンツの演出、また普段の投稿でのコミュニケーションが重要になります。
ここでは、企業SNSをどのように運用し、どんな目的で活用できるのか具体的に解説していきます。
SNSマーケティングの一環として企業SNSを活用可能
企業SNSを運用する目的の1つが、「マーケティング活動」です。SNSマーケティングとは、SNSを使って商品やサービスの認知度を向上させたり、見込み顧客を獲得したりする手法のことを指します。SNSであれば、自社の公式アカウントを通じて新商品の情報やイベント告知などをダイレクトに届けられます。
たとえば、新作アイテムの写真や商品の使い方を「ストーリー形式」や「ライブ配信」などで投稿すれば、広告よりも軽いテイストで多くのユーザーにアピールできます。
その結果、ユーザーが自社サイトへのアクセスを行ったり、販売ページへ誘導されたりすることで売上アップを図れます。また、SNS上のデータ(反応率やアクセス流入元の解析など)を活用してターゲット分析を行うと、新たなニーズを発見することも可能です。
企業SNSを通じてリアルタイムな情報を伝えられる
SNS運用を活用するメリットのひとつが「即時性」です。広告やチラシでは制作や配布に時間がかかりますが、SNSなら投稿を完了すれば瞬時にユーザーのタイムラインに届けられます。たとえば、セールやイベントの開催時間が迫っている場合でも、その速報をSNSで投稿してリマインドすれば、集客効果や購買意欲を高められます。
また、商品の在庫状況や入荷情報、災害時の運営状況などをタイムリーに発信することで、ユーザーの信頼を得ることが可能です。特に季節ものやタイムセールの場合は「○月○日までの限定価格」「あと1時間で終了」といった投稿が拡散されやすく、ユーザーを購買行動へと駆り立てやすいでしょう。
企業SNSは従業員向けの社内広報としても活用可能
企業SNSと聞くと、外部のお客様向けの情報発信を思い浮かべるかもしれません。しかし、SNSは実は社内広報の強化にも役立ちます。たとえば、非公開のSNSアカウントを従業員限定で運用することで、社内行事や制度の告知、社員が感じた成功事例、取り組み事例などを共有し合うことも可能です。
企業SNSを社内広報ツールとして活用することで、顔の見えない部署間の交流が深まるほか、他部署の仕事ぶりをSNS上で知ることに繋がります。その結果、社内コミュニケーションが円滑になるメリットも見込めるでしょう。コロナ禍以降、在宅勤務やリモートワークが一般化するなか、SNSを使った取り組みで「社内の一体感を高める」例も増えてきています。
なお、社内広報について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>社内広報(インターナル広報)とは?企業が注力するメリットや成功事例 | 広報代理店
企業SNSは採用にも活用可能
採用活動においても企業SNSの活用が効果的です。求職者が転職先を検討する際に、企業のSNSアカウントをチェックするケースが少なくありません。実際の雰囲気や働く従業員の声、イベントや社内研修の様子などを覗けるので、求人広告や会社説明会だけでは知り得ないリアルな魅力を伝えられます。
たとえば、担当部署や社員の日常の雰囲気をInstagramのストーリーズで流す、職場の景色や福利厚生を動画で紹介する、といった具体的な発信を行えば、学生や転職希望者にとってより身近に感じられるでしょう。
「この企業の一員になりたい」と思ってもらえるような社風づくりや積極的な情報公開が、採用ブランディングの成功に直結します。
企業が運用すべきSNSはどれ?各SNSの種類と特徴
企業SNSの運用が重要とはいえ、SNSには数多くの種類があり、どのプラットフォームを使えばよいのか迷うケースもあるでしょう。ターゲットの年齢層や企業の魅力をどう見せたいのかによって最適なSNSは異なります。
ここからは、代表的なSNSの種類と特徴を整理し、自社に合ったSNSを選ぶヒントを紹介します。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は140文字の短文投稿を基本としており、ユーザーとの双方向コミュニケーションのハードルが低いのが特徴です。拡散力が非常に高いため、話題性のある投稿が「バズ」って一気に認知度を高めるケースも少なくありません。イベントなどのリアルタイム告知や、即時性が求められるセール情報などを発信するのに適しています。
一方で炎上リスクが高い側面もあるため、内容の精査が必須です。企業アカウントでは長文が書きにくいものの、ツイートを繋げる「スレッド機能」を活用すればストーリー性のある発信も可能となるでしょう。
Facebookは実名制を基本としており、年齢層はやや高めで落ち着いたユーザーが多い印象のSNSです。信頼性を重視する企業の公式アカウント運用に向いており、BtoB企業の企業広報としても多く利用されています。特に中高年層に向けて商品やサービスをアピールしたい場合には効果的です。
また、イベント機能やコミュニティ機能もあり、顧客とのコミュニティを育てることができるのが強みのひとつです。一方で若年層にはあまり利用されていないことから、ターゲットによっては別のSNSとの併用が必要になることもあります。
写真や動画などビジュアル主体のコンテンツが中心のInstagramは、10代から30代の若い世代を中心に利用者が多く、「映える」写真の投稿が好まれます。ファッションや美容、飲食などのBtoCビジネスを展開する企業にとって、インスタグラムは非常に相性がいいでしょう。
ハッシュタグによる検索機能を活用すれば、潜在顧客へのリーチも期待できます。ストーリーズやリール、ライブ配信などの多彩な機能を使うことで、ユーザーにリアルタイムな情報や舞台裏の魅力を発信できるのもInstagramの魅力です。
LINE
日本国内のユーザー数が9,000万人を超えるともいわれるLINEは、幅広い年齢層に利用されています。企業公式アカウントを使えば、ユーザーから「友だち登録」してもらうことで、1対1もしくは一斉配信で案内を送ることが可能です。クーポン配布やチャットボットを活用した簡易的な問い合わせ対応など、幅広いマーケティング施策に活かせます。
ただし、拡散力という点ではX(旧Twitter)やInstagramなどに劣るため、すでに顧客としてファンになっている層のロイヤルカスタマーと関係性を深めたり、リピーター施策として用いるのが得策です。
なお、LINE公式アカウントについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>LINE公式アカウントとは?作り方やできること、ログイン・削除方法も | 広報代理店
TikTok
若年層を中心に爆発的な人気を得ているのがTikTokです。短尺動画というスタイルで、ダンスや面白ネタなどのエンタメ要素が強い一方、企業アカウントも増加傾向にあります。うまくバズれば、一晩でフォロワー数を劇的に増やす可能性を秘めています。
例えば、スタッフが踊って製品を紹介したり、働く現場をクリエイティブな角度から動画にまとめたりといった演出が興味を惹きやすいでしょう。ただし、Z世代が多い環境ということもあり、独自の世界観やテンポ感に合わせたコンテンツ作りがポイントになります。
YouTube
世界最大級の動画共有プラットフォームであるYouTubeは、長尺動画やライブ配信を通じた情報発信が可能です。動画なら文章や写真よりも商品説明がわかりやすく、企業のストーリーを伝えるにも最適。インタビュー形式での社長メッセージや、工場の生産風景、サービスの使い方を解説するHowTo動画など、多彩な活用手段があります。
また、YouTubeはSEOにも強く、Google検索で上位に表示されやすいというメリットがあります。じっくりとブランディングを行いたい場合はYouTubeを活用し、ファンコミュニティを育てる戦略もおすすめです。
企業が公式SNSを運用するメリット
企業が公式SNSを運用することで、何がどのように変わっていくのでしょうか。企業SNSを運用する具体的なメリットを知っておくと、自社にとってのSNS活用の可能性がいっそう見えてきます。
ここでは、「SNSが広報手段として定着している理由」にもつながる3つのメリットを中心に解説していきます。
企業のブランディングや認知度アップが可能
SNSは企業やブランドのイメージをダイレクトに発信できる場所です。自社のビジョンや世界観、担当者の熱量などをうまく盛り込み、SNSアカウント全体で統一感のある情報発信を続ければ、ブランディングを強化しながら認知度を高められます。
また、X(旧Twitter)などのSNSは拡散性が高いため、自分たちの投稿を見たユーザーがさらに共有し、多くの人に広がる可能性が十分にあります。
企業アカウントに個性を持たせ、「この企業のSNSは面白い」「役に立つ」と思ってもらえれば、フォロワー数が増加してより効果的にブランディングを推進できるようになるでしょう。
初期費用・初期投資がほぼかからない
SNSアカウントの開設は基本的に無料で行えます。広告を打つ場合や、運用を外部に委託する場合は別途費用が発生しますが、他の媒体へ大々的に出稿する広告と比べると、SNS運用コストは極めて低く抑えられるのです。
また、SNSはプレスリリースや紙媒体の広告のように制作期間が長くかからず、運用開始までのハードルが低い点もメリットと言えます。投稿内容や運用ルールを明確に定めたうえで、社内リソースを確保するだけでもスタートすることができます。
双方向コミュニケーションで企業の「人間性」を伝えられる
SNS運用は広告と違い、一方的に情報を流すだけでなく、ユーザーとのやりとりが可能です。コメント欄で直接的にやり取りをしたり、問い合わせのDM(ダイレクトメッセージ)に即座に返信したりすることで、「親しみやすい企業」「ユーザー目線で考えている企業」というイメージを自然に育めます。
また、企業アカウントの担当者が「中の人」として、時にユーモアや人間味のある発言をすることで、ファン化を促進できるのもSNS特有の魅力です。文章や動画で担当者の人柄や企業文化を表現すれば、ユーザーは「ただの企業」ではなく「人」に近い感覚で接してくれるようになります。
炎上することも?企業SNS運用の注意点と対策
いくらSNSのメリットが大きいとはいえ、運用を開始する前にしっかり理解しておきたいのが「リスク」と「注意点」です。企業アカウントでの投稿が思わぬ誤解を生んで炎上するケースも珍しくなく、情報をうまくコントロールできなければ自社のイメージを損ねるリスクもあります。
ここでは、SNSを運用する上で気をつけたい主な注意点と、その対策方法を整理していきます。
企業SNSが炎上する可能性がある
SNSならではの拡散力は、ポジティブな話題だけでなくネガティブな話題にも作用します。担当者の軽率な発言や不適切なジョーク、投稿内容の事実誤認などが原因で炎上し、企業イメージを大きく損なう事態に発展してしまうことがあります。
SNS・ネット上で一度炎上してしまうと、投稿を削除してもスクリーンショットが拡散され続けるなど、完全収束は困難です。
企業SNSの炎上対策としては、事前にSNSガイドラインを策定し、投稿前のチェック体制を設けることが重要です。また、万が一SNSが炎上したときの謝罪・再発防止策などのマニュアルを整備しておき、素早く適切な対応が取れるようにしておきましょう。
企業SNSの運用に手間と時間がかかる
「投稿するだけなら簡単」と思われがちですが、実際には「アイデア出し」「デザインや写真の撮影」「文章作成」「投稿後のコメント返し」など、企業SNSの運用担当者にかかる作業負担は軽視できません。さらに、SNSの運用成果を分析したり、定期的に改善策を練ったりすることも求められます。
特にフォロワー数が増えるほどユーザーとのコミュニケーション回数が増大し、運用担当者の負荷は大きくなります。そこで、運用体制を整え、必要に応じて複数人や外部パートナーと協力しながら継続できる仕組みをつくることが大切です。
企業SNS運用を成功させるには専門知識が必要
企業SNSの運用で目標を達成するためには、マーケティング全般の知識だけでなく、SNSごとの特徴やアルゴリズム、トレンドなど、専門的な知識が欠かせません。たとえば、X(旧Twitter)とInstagramではユーザー層や拡散の仕組みが違うため、同じコンテンツでも受け取られ方が異なる場合があります。
このため、社内でノウハウを蓄積するには時間がかかることも多いでしょう。対策としては、実際に自社で運用しながら効果検証を行う、SNSマーケティングの勉強会に参加する、あるいは専門的なコンサルティングや代理店に依頼するといった方法が考えられます。
インフルエンサーを活用する場合はステマ防止のPR表記を忘れない
SNS運用の一環として、インフルエンサーを活用したPRを検討する企業も増えています。しかし、この際にステルスマーケティング(ステマ)と疑われるような手法は避けるべきです。具体的には、インフルエンサーに金銭や商品を提供しているにも関わらず、それをユーザーに明示せずに広告的な発信を行う行為が問題となります。
ステマが発覚すれば企業とインフルエンサー双方の信用は大きく損なわれます。対策としては、投稿内容で「PR」「広告」「提供」といったキーワードをしっかり明記することが大切です。また、広告関連の法規(景品表示法や薬機法など)への抵触にも注意して運用する必要があります。
広報担当者必見!企業SNS運用を成功させるためのポイント11選
ここまで、企業SNSのメリットや注意点、運用可能な各SNSの特徴などを解説してきました。しかし、実際に運用を開始するとなると「どのような手順と心構えで取り組むべきか」を知っておく必要があります。
以下の11のポイントを押さえておけば、SNS運用で成果を上げるための道筋がより明確になるはずです。
①企業SNSの目的や方向性などのアカウント設定を明確化する
まず重要なのは目的の明確化です。たとえば「認知度を高めたい」「既存顧客とのコミュニケーションを強化したい」「採用活動に活かしたい」など、運用の方向性をはっきりさせましょう。
アカウント名やプロフィール欄でも、企業の存在理由や魅力を端的に示すことで、一貫性のある発信につなげられます。
②企業SNS運用で目標とするKPIをしっかり決める
目的を定めたらKPI(重要業績評価指標)の設定を行います。たとえば「月間のフォロワー数を○人増やす」「投稿のいいね数を月間で○○以上」「採用エントリー数を○件増やす」など、定量的な指標を立てておけば、運用成果を検証して改善を図りやすくなります。
③企業SNS専任の運用担当者や運用チームを組織する
企業のSNS運用はどうしても作業工数がかさみがちです。投稿の企画や制作、コメント対応、効果測定などが散発的に起きるため、兼任担当だと手が回らないケースもあります。
必要に応じて社内でチームを組成したり、外部の専門家に依頼したりすることを検討し、継続的に質の高い運用を実現しましょう。
④企業SNS運用のルールをしっかり作っておく
企業SNSの運用上のリスクを下げるために、ガイドラインやマニュアルを整備することは非常に大切です。
投稿前のチェックプロセスや、何か問題が起きたときの報告体制、ユーザーへの返信の仕方、プライバシー配慮や法令遵守のポイントなどを明文化しておけば、担当者の不注意やコミュニケーションの行き違いによる炎上を防ぎやすくなります。
⑤ユーザーから見て「面白い」投稿を心がける
企業アカウントだからといって宣伝内容ばかりでは、ユーザーに飽きられてしまう可能性が高いです。
時にはスタッフの日常やオフィスの裏側、業界の豆知識やお役立ち情報、ホッと笑えるネタを盛り込むなど、ユーザーにとって「面白い」「親しみを感じる」投稿を意識すると、フォローを外されにくくなります。
⑥ユーザーと積極的にコミュニケーションを図る
SNSは「投稿→コメント→返信」という双方向コミュニケーションの場です。コメントが来たら早めに反応し、「ちゃんと見てくれている」とユーザーに感じてもらうことで、ブランドへの好感度が向上しやすくなります。
抽象的な返事ではなく、できる限り丁寧に回答することで、SNS上ならではの「人間味」を演出できるでしょう。
⑦ショート動画などの投稿も活用する
近年、ショート動画が急速にトレンド化しています。TikTokやInstagramのリールなど短尺動画を取り入れれば、文章では伝えきれない魅力がユーザーに届きやすいでしょう。
商品の使い方や製造工程の一部、社内イベントの様子などをコンパクトにまとめて配信すれば、視覚的効果で印象に残りやすくなります。
⑧他社の企業SNSアカウントとも交流する
他社のSNSアカウントとフォローし合う、話題をリポストし合うなどのコラボレーションは、双方のユーザー層にリーチできるメリットがあります。
特に業界が近しい企業同士であれば、ユーザーも興味を持ちやすく、「仲の良い企業同士」として好印象を抱くケースも少なくありません。
⑨SNS広告も適切に活用する
オーガニック(無料)投稿だけでは、思うようにリーチが伸びない時期もあります。そんなときは、ターゲットを細かく設定できるSNS広告を利用するのも手です。
FacebookやInstagram、X(旧Twitter)など、各SNSで広告配信の仕組みが用意されており、広告予算の範囲内で効果的な宣伝が可能となります。
⑩継続的にPDCAサイクルを回す
SNS運用を開始してすぐに大きな成果が表れるわけではありません。投稿のたびにアクセス解析ツールを確認し、「どんな投稿がエンゲージメントを生みやすかったか」「どんなテーマは不人気だったか」を分析し、改善を繰り返していくことが大切です。
継続的にPDCAサイクルを回せば、企業SNS運用のノウハウを着実に蓄積することもできるでしょう。
⑪自社運用が難しい場合は信頼できる専門企業に委託する
SNSアカウントの運用が難しい、あるいは社内リソースが足りないときは、信頼できる専門企業やコンサルタント、代理店に依頼するのも選択肢の1つです。
プロの視点から運用代行やコンテンツ制作を行ってもらうことで、炎上リスクの低減や迅速な改善策の実施など、より高度なSNS戦略を実行できる可能性があります。
広報のプロ集団である「広報代理店」では、企業SNS運用を代行するサービス「いっしょにSNS運用」をご提供中です。「いっしょにSNS運用」のサービス費用など詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>企業のSNS運用を代行!広報代理店「いっしょにSNS運用」のサービス内容を解説 | 広報代理店
企業SNSの成功事例
企業SNSの運用に成功し、大きく注目を集めた企業の事例を見ると、運用のヒントや活用の可能性が感じられます。
ここでは、業種やプラットフォームが異なる7社のケースを取り上げ、どのようにSNSを活用しているのかを紹介します。自社の取り組みに応用できそうなポイントが見つかるかもしれません。
株式会社ローソンのX(旧Twitter)を活用した企業SNS成功事例
全国展開する大手コンビニチェーンのローソンでは、X(旧Twitter)を使い、セール情報や新商品紹介を中心に発信しています。SNS担当者がイベントごとや季節商品などをタイムリーに投稿し、フォロワーとのやりとりも積極的。運用開始当初は「企業とユーザー間の壁」を感じさせない親しみやすい投稿が話題を呼び、多くの拡散を生み出しました。
現在も大規模キャンペーンの告知などをスピーディに行い、SNS担当者のラフなコメントやユーモアが「人間味のある企業」として認知を広げています。
株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ)のFacebookを活用した企業SNS成功事例
ユニクロなどを展開するファーストリテイリングでは、Facebookページを活用して商品情報やキャンペーン、ブランドヒストリーなどを発信。実名制が中心のFacebookユーザーに向けて、丁寧なコミュニケーションを行うことで、「大手企業だけれどもユーザーとの距離が近い」ブランドイメージを構築しました。
特に新商品発表の際には、商品の開発秘話などを交えたストーリー性のある投稿で多くの興味関心を集めています。
株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ)のFacebook
株式会社キングジムのX(旧Twitter)を活用した企業SNS成功事例
文房具メーカーとして有名なキングジムは、「中の人」の個性を最大限に活かした独特の投稿がSNSで大きな話題を呼びました。自社製品の紹介だけでなく、文房具の日常的な使い方やユーザーの投稿をシェアすることでコミュニティを形成。
さらに、ユーザー参加型のキャンペーンやアイデアを募る企画を取り入れるなど、双方向コミュニケーションの強みをフル活用してファンを増やしています。
株式会社ニトリのInstagramを活用した企業SNS成功事例
インテリア・ホームファッションを展開するニトリは、Instagramを中心に自社商品を活用した部屋コーディネート術や収納アイデアを発信。ユーザーが写真を投稿してハッシュタグでつながる仕組みを取り入れ、インスタ映えする空間づくりを提案しています。
デザイン性が高いビジュアル投稿の数々が、多くのユーザーの共感を呼び、リポストやハッシュタグ活用によって自然発生的にブランディングが強化される好循環を生み出しました。
東京ディズニーリゾートのInstagramを活用した企業SNS成功事例
東京ディズニーリゾートでは、パーク内の風景やキャラクター、期間限定イベントの映像を魅力的に発信することで、夢の世界観をSNS上でも楽しめるように工夫しています。ストーリーズで園内の最新情報を速報的に流す一方、フィードではプロ並みの写真や動画を通じて「行きたい!」というユーザー心理をくすぐるのが特徴です。
このようなビジュアル訴求は「ディズニーファン」をさらに取り込み、アカウント全体のフォロワー増加にもつながっています。
株式会社ビームスホールディングスのLINEを活用した企業SNS成功事例
セレクトショップとして有名なビームスホールディングスでは、LINE公式アカウントを活用して来店促進や新作情報を配信。特に、ユーザーが友だち登録をすると割引クーポンや先行セール情報が受け取れる仕組みを用意し、購買意欲を高めることに成功しました。
また、トーク画面から直接問い合わせできるため、顧客にとって購入前の不安を解消しやすく、ロイヤルティ向上にも役立っています。
William PainterのYouTubeを活用した企業SNS成功事例
サングラスブランド「William Painter」は、高品質かつスタイリッシュな製品を動画で訴求するためにYouTubeを活用。製品の強度テストやユニークな宣伝動画で注目を集め、何百万回もの再生数を獲得しました。
インパクトある動画広告を展開しながら、ブランドストーリーを語ることで「他社とは一線を画すサングラスメーカー」というブランド価値を強固にしています。
企業SNS運用は会社の未来にとって重要な広報活動!
企業SNS運用は、新商品やサービスの周知、顧客との直接対話による関係構築、社内広報や採用活動など、多面的に企業を支えてくれる強力な広報活動です。
企業SNSは、低コストかつ拡散力に優れ、ブランド力を地道に積み上げるのにも適しています。しかし、ただSNSアカウントを開設するだけでは成果は期待できません。明確な目的や戦略、ルール策定といった準備、そしてPDCAによる持続的な改善が欠かせないのです。
この記事で紹介したような企業SNSの成功事例を参考にしつつ、SNSを活用して自社らしい発信を続けていくことで、今後の会社の未来をより豊かにする大きな可能性が広がるでしょう。
企業SNS運用のアウトソーシングなら広報代理店へお任せ
企業SNSを活用し、ユーザーとの信頼関係を育むことは、会社の未来を左右する大切な挑戦です。しかし、SNS運用に必要な取材やライティング、画像や動画の編集、投稿スケジュール管理などをすべて社内だけでまかなうのは、思いのほか手間やコストがかかってしまうと思います。
「もっと魅力的な投稿をしたいけれど、専任スタッフがいない……」
「炎上リスクを心配せず、プロの知見を借りたい」
「コンテンツを継続的に作っていく自信がない」
このようなお悩みがあれば、ぜひ“広報のプロ”である「広報代理店」にご相談ください。広報代理店では、企業のSNS運用を代行する「いっしょにSNS運用」サービスをご提供しています。経験豊富なライターやクリエイター、SNSに精通したスタッフが、企業の魅力をしっかりと掘り下げ、“心に届く文章やコンテンツ”に仕上げます。
また、キャンペーンやインフルエンサーマーケティングといった戦略的な取り組みも、広報代理店がサポート可能。従来は「どのSNSをどう使えばいい?」と手探り状態だった企業も、プロのアドバイスで“成果につながる運用”が可能になります。
広報代理店のSNS運用代行サービス「いっしょにSNS運用」について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>企業のSNS運用を代行!広報代理店「いっしょにSNS運用」のサービス内容を解説 | 広報代理店
想いや価値をただ一方的に届けるのではなく、ユーザーと“心でつながる”広報こそが、企業の強さを育んでいきます。この先も時代の変化は続きますが、SNSという舞台が持つ無限の可能性を信じ、広報代理店とともに新たなステップを踏み出してみませんか。
心を動かすストーリーをともに紡ぎ、企業の大切なメッセージをより多くの人へ届ける――。その先に、今まで見えなかった未来が、きっと待っているはずです。
御社からのご相談を、心よりお待ちしております。